自己紹介的な投稿でも書きましたが、私は20年ほど前に株式に初めて触れたのですが、思うような付き合い方が出来ずに失敗して関心を失い、その後ずっと放置する、という経験をしています。
その原因は、いくつも考えられます。
・株式投資についての基礎知識がないままに始めた
なにより、これが失敗したおおもとの原因なのですが、2000年頃は、まだWindows95ブームでインターネットが一般にも知られるようになって5年、実際に多くの人にとって身近になったのはWindows98のころだと思いますので、それから数年、というタイミングでした。
当然ですが、その頃にはTwitterもFacebookもないし、スマートフォンなどというものもなく、ようやく携帯電話が一般的になってきたかな、という頃です。そんな時代ですから、
・株式投資についての基礎知識や経験談を知るチャンスが限られてた
・株式投資や資産形成について、相談できる場がなかった
という状況でした。そして、
・一般の人にとって株式投資は身近なものではなかった
という時代でもありました。日本株すら、まだまだ証券会社のお店に行ったり、電話をかけて売り買いするもの、というのが普通。まして米国株に投資しようと思ったら、面倒な手続きが必要ですぐにあきらめた、とうっすら記憶しています。
そんな時代でしたので、私は株式市場というものが一体どういうものか、イメージできないままに、やみくもに泳いでみた、その結果どうしていいか分からないままに力尽きて溺れてしまった、今思うとそんな感じでした。
今、私が理解している株式市場とは、「水泳の競技をしてる人もいれば、サーフィンを楽しんでいる人もいるし、船遊びをしている人もいる、そういうさまざまな人が思い思いに集まってきている海」だと思っています。
共通するのは、海を楽しむ・利用する、という目的で集まっている、ということ、でも、それだけ。
例えば水泳の競技ひとつにしても、短距離もあれば遠泳もある、クロールもあれば背泳ぎもある。当然水泳とサーフィンでは、ルールも違えば、向いている人・適性も違う。そういう人たちが、混然一体となって海=株式市場に入っている。
ただ、波がある、風がある、天気が崩れる、といったことは、海に入っているすべての人に影響します。これは現実の株式市場で言えば、経済状況だったり、為替や金利だったり、政治状況や国際関係だったり、ということになるでしょうか。
株式市場とはそういう「海」なのだ、と、ようやく理解できたので、今は自分が参加している競技、つまり配当を頂くための高配当株への投資に集中して、他の楽しみ方・使い方をしている人たちに気を取られないようにすることが、溺れないために必要なのだ、と心に留めています。
ただ、波が高い、天気が悪い、といったことは海に関わる全ての人が影響を受ける、そして命にかかわりかねないことなので、その点には、他の競技に参加している人たちの様子も含めて、気にかけるようにしています。
20年前に、株式投資の基礎知識を勉強していなかったことは完全に私のミスなのですが、そのころに「株式市場とはどういう場所なのか」と教えてくれる人がいたら、かなり見通しがよくなったのではないか、ひょっとすると溺れずに済んだのではないかなと思います。
私の「海」というたとえが適切かどうかは分かりませんが、今でも「株式市場とはどういう場所なのか」ということを書いたりしゃべったりしている人をあまり見かけないなぁ、と思います。慣れている人にとっては当たり前すぎて言うまでもないことなのかもしれません。
ですが、その「海」で一度溺れた(復帰したので、溺れかけた、というのが正しいのでしょうか)経験がある私には、もし20年前の私のような人がいて、株式市場という「海」の前で立ちすくんでいる人、やみくもに飛び込もうとしている人がいるなら、まずこの話をして差し上げたいと思います。
無防備でいれば海は人の命を簡単に奪う場所ですが、十分な知識と備えがあれば、様々な形で豊かな経験をもたらしてくれる場所でもあります。それが株式市場ともちょっと似ているように思うのです。
Twitterもやっています @ukei_site。よろしければそちらでもお付き合いください。
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