高配当株投資をしている私の優待株の考え方と保有銘柄

株主優待

高配当株の長期保有を投資方針にしている私が、優待株についてどう考えているか、どんな優待銘柄を持っているか、自分のための整理にもなるので考えていることをまとめてみました。

優待株投資の魅力を否定しません

初めに、誤解がないようにお伝えしたいことは、優待株を中心とした投資を私は全く否定していません。そうした投資方針があってよいと思うし、優待株を楽しんでおり積極的に優待株を買っている方がいることもよく知っています。そうした方のブログやツイッター・YouTube を拝見したりして参考にさせてもらうこともありますので、決して優待株に対して投資をすることがダメと言っているのではないということを、まず先に申し上げておきたいと思います。

私も優待株は魅力的だと思っており、いくつかの優待株を配当を度外視して持っています。ただ大きな方針を配当額を増やしていくことにおいているため、優待株の保有を優先していない、ということに過ぎません。

保有する優待株の3つのパターン

高配当株か優待株かというのは、突き詰めると同じことだと思います。手にするのが現金(配当)なのかモノ(優待)なのか、という形の違いでしかないと思いますし、配当だと課税されてしまいますが、優待であれば課税されない分だけ有利でもありますね。あとは、その配当や優待がどれだけ魅力的か、というだけのこと。

ですので、自社商品やサービスを優待品としてもらってみたい、と思う銘柄はいくつか保有しています。

もうひとつは、金券による優待品を出している銘柄です。この場合は金券の額面をそのまま配当額として換算しそれが自分の基準とする配当利回り以上の場合には、その優待株を高配当株として保有しているものがあります。

そして、数は少ないですが、配当額だけでも配当利回りの基準を満たしており、さらに優待品が出る銘柄もあります。この場合はあくまで配当利回りが基準を満たしているということが中心になるので、優待品は本当にオマケのオマケという扱いになります。

まとめると、私が保有する優待株のパターンは、以下の3つになります。

1)優待を自家消費するもの 
2)金券の優待=実質的に配当金の一部であるもの
3)現金で十分な配当利回りが出てる上に優待がつくもの

保有する優待株の具体例1) 生活用品、百貨店、航空

まず、1)のタイプの具体的銘柄は、エステーレックがあります。自社商品を優待品としてプレゼントしてくれるもので、優待品を金額換算して判断、とは考えていません

これは保有している会社の商品に興味があるという単純な理由ですので、ひょっとすると数回程度優待品をもらったら継続保有の有無を検討し、手放すかもしれません。いずれも、今の方針でポートフォリオを組み始めた当初に購入した銘柄になります。今後、こうした金銭換算ではなく優待品そのものを目当てにした銘柄保有を新たにするか、また継続して保有するかについては、今の時点では何とも言えないところがあります。ただ、優待品が届く楽しさという、保有のインセンティブはあると思いますので、限られた銘柄でこうした保有を続けていく可能性はあるかもしれません。

また、 三越伊勢丹ホールディングス高島屋といったデパートの優待株も自家消費ですが、こちらは金額に換算して利回りの判断をしています。これは実際に自分や家族が頻繁に利用するデパートで、株主優待割引のカードを使うことを前提に買っています。デパートのクレジットカードを使ってもポイントや割引がつかない食品やセール品なども対象になるなど、実際に優待を使うことで出費が押さえられる分、優待額をキャッシュでもらっているのと同等と考えられるため保有することにしました。普段利用しないのに、優待があるから買い物をするのでは無駄な支出が増えることになりかねないので、その点は注意が必要なのですが。

この2社については、まだデパートの業績が回復することが見込めず株価がかなり低い段階で買うことができましたので、優待による割引額を考えると3〜4年保有していれば実質的に投資元本を回収してしまえて、恩株状態になる価格での購入でした。現在では20〜30%株価が上昇していますが、それでも4〜5年程度保有すれば優待割引額だけで投資元本を回収できるくらいの水準にあります。そして、少ないとはいえ利回り1%程度の配当もありますので、条件が変わらない限り長期保有していくことになる見込みです。株数と保有期間で優待限度額がアップする銘柄もあるので、状況によって買い増しするかもしれません。

もう1つ、航空会社銘柄も株主優待券を金額換算して利回りの判断をしています。具体的には ANAホールディングス 日本航空の株を1単元ずつ保有しています。株主優待券は金券ショップなどに売ることもできますが、圧倒的に自家消費する方がトクです。優待券を使って正規運賃の半額で乗れて直前購入もでき、予約変更も可能なことを考えると、値段だけをみれば一部の早期購入割引運賃より高い場合もありますが、他の割引運賃にはない自由度があるチケットが買えるので重宝しています。利用する路線にもよりますが利回りは優待券1枚当たり10%前後というところになるでしょうか。我が家の場合、実家が遠方にあるため帰省の際にこうした優待券を使うだけでも十分にペイすることになります。

航空業界の業績回復については、新型コロナウィルスの影響もあってまだまだ見通せないところがありますので株を買い増していくことは現時点では考えてはおりませんが、まだ株価も低迷したままコロナ前の半額程度ですから、買いやすい水準ではあります。1単元保有すると年間でANAは2枚、JALは1枚の優待券を取得できます。現時点では無配なので純粋に優待券のみがリターンになりますが、優待券を自家消費するために長期保有していく可能性が高いです。ただ、JALは優待券が1単元では年間1枚で、株価があまり変わらないANAに比べると見劣りするため、保有を解消するかもしれません。

保有する優待株の具体例2) ナフコ、日本取引所Gなど

2つ目の金券を含めた投資利回りの判断から保有しているものには、ナフコ日本取引所グループといった銘柄があります。

ナフコは執筆時点で配当利回りが3.5%前後ですが、それとは別に年2回ギフトカードの優待品が提供されます。1単元だと年間1,500円分ですが5単元で4,500円分となるので、配当利回りがそこそこ高くPER・PBRも低めだったことから5単元を保有中です。ギフトカード分も込みで考えて配当利回りの基準を満たす、と判断しました。株価自体が上がることがあれば、一部は手放すかもしれません。

日本取引所グループは、執筆時点で配当利回りが2.5%前後と、それだけでは全く保有基準に届かないのですが、1単元の保有で初年度1,000円のQUOカードがもらえ、その後継続保有1年ごとに1,000円づつアップして、最大で4,000円(3年以上継続)まで増額されることから、この分も含めて配当利回りを計算し、1単元保有しています。事業の性格上、国内での競争相手が出現したり、それによって事業自体がなくなるといったことが考えにくいため、株価の上下はあるとしても安定的な事業の継続が見込まれ、長期保有できると判断しました。

このように、保有株数や保有年数で優待金券の額が増加する銘柄もあり、その点も考慮していますが、一般的には優待を得られる最小の単元数(株数)を保有するのが最も効率は良くなります

最近は、東証の市場再編に関連して株主優待を廃止する流れも出てきています。特に自社商品やサービスと関係がない金券による優待は存続が危ぶまれるという話もあります。最近の例でいうと、優待人気銘柄だったオリックスが優待廃止を発表しました。同社は金券ではなく自社関連の商品・サービスによる優待を提供していたのですが、廃止に踏み切っています。

私が保有している上記の銘柄でも、優待廃止となる可能性はなくはありませんが、そうした場合には金銭による配当の増額がセットで提供されるだろうと期待できます。もし金券優待が廃止された場合は、金銭配当の額が、自分の配当利回り基準に見合うものになるかどうかで、保有を継続するか売却するか判断することにします。

金券優待は、確かに株主の不公平感(特に大口株主や機関投資家)が強くなりそうですが、一方で自社商品・サービスなどのモノやカタログギフトの提供は、株主が受け取る価値だけでなく、実施コストがかかるであろうことを思うと、株主への郵送物に同封すればいいだけの金券優待は、案外しぶとく残るのかもしれない、という気もしてきています

なお、私は、受け取った金券額相当分は配当と考えるので、その額を証券口座に入金して、再投資に回しています

保有する優待株の具体例3) ニチリン、PCデポなど

最後に、金銭配当だけで投資利回りの基準を満たしている上に優待品ついてくるというケースで、ニチリンや、(売却してしまいましたが)PCデポなどがあります。

ニチリンは、執筆時点で配当利回りが5%前後と、それだけで十分に高配当銘柄なのですがくわえて1年以上1単元の保有で1,000円分のQUOカードの優待品がもらえます。さらに3年以上の継続保有で、+2,000円になります。仮に優待が廃止されたとしても、事業内容に問題がなければ継続保有する銘柄になるでしょう。

PCデポは、執筆時点で配当利回りが5%弱と、こちらも高配当銘柄ですが、くわえて自社店舗で使える優待券ももらえます。こちらも現金配当だけで十分な利回りですが、事業の将来性が見極められなかったことと、優待券の自家消費の可能性がないこともあり、いったん売却してしまいました。

こうした「おまけのおまけ」の優待品は、必ずしも自家消費できない場合もあり、その時には何らかの形でお譲りしたり売却するといったことも出てくるかと思います。私もPCデポの優待券はメルカリでお譲りしました(手間賃を除いてもペットボトル1本分くらいの利益にしかなりませんでしたが)。

気をつけなければいけないのは、転売禁止になっている優待品を売ることによって、フリマサイトや株主優待を発行してる会社そのものから、ペナルティーを課される可能性があるようです。たとえばフリマサイトのラクマは一部の株主優待の出品を禁止しています。また、コタ社は自社株主への優待品を転売した場合には以降の優待の権利を停止するとサイトに明記していますので、注意が必要ですね。

今は高配当株に集中、でも将来は優待株保有も楽しそう

優待券などであれば捨ててしまえばよいだけかもしれませんが、口に合わない食品などは自家消費できず、どうしていいか、困ってしまうことにもなりかねません。また、フリマサイトなどに出品して売るのも、手間がかかるといえば手間がかかります。

自分自身が欲しかったり家族が欲しいと思う優待品については積極的にその銘柄を保有しようという気持ちになるのですが、特に欲しくない優待品がついてくる銘柄については、それであれば金銭配当を増やしてくれたり、あるいは金銭配当か優待品を選べるようになっていればよいのになぁ、と思ってしまうこともあります 。

どんな優待でも美味しく楽しく消化されているように思える桐谷さんなどは、すごいですね。芸の領域を極めていらっしゃる、と言ってもいいように思います。

私の優待に関する考え方は、必ずしもポジティブ一辺倒ではないかもしれません。ただ、世界の中でもこうした株主優待が広く行われているケースは多くないということなので、せっかく日本にいて日本株を保有するのであれば、自分が欲しいもの・使いたいものについては、優待品を狙った保有を楽しまない手はない、と思っています。 

当面は配当額を再投資して高配当株の保有を厚くし、年間の配当受取り額をアップしていくことを一番の投資方針にしているため、いまの私には優待株の優先度は高くはありません。ただ、将来ある程度配当受取り額が望む金額に達したら、優待を狙った銘柄保有を増やしていくのも楽しそうだな、と思っています。

Twitterもやっています(@ukei_site)。よろしければそちらでもお付き合いください。

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